【8歳子どもの疑問】なぜ自分は自分なのか|自己認識|生きる不思議

子どもの疑問

8歳の娘は日頃から私にたくさん質問をしてくれます。
それは「空はなぜ青いのか」というようなものです。
私もわからないことを聞かれるため、
「それお母さんもわからんけん、調べようね」と言ってスマホで調べて娘に伝えます。
今回も娘から質問がありました。
「ねぇ、ママ、何でママはママなの?」
「何で私は私なの?」

私と同じことを疑問に感じた娘

驚きました。
それは、いつもの調べれば答えがあるものとは違い、明確な答えがないものだから…
そして、私も娘くらいの年齢の時に疑問に思ったため、同じことを考えていることにびっくりしました。
親子だからでしょうか…
とても不思議な感覚でした。
目の前の娘が、8歳頃の私であるかのように感じました。

なぜ自分は自分なのか

この問いには正確な答えがないと思っています。

「そう思う?ママもね同じことを思っているし、あなたくらいの年齢のときに何で?って思ったんだよ」
そう伝えると、娘は嬉しそうに
「よね??私、不思議なんよ、何で私は私なんかなって」
「自分になりたいと思ったわけではなくて、なぜか自分が自分なんだもんね。自分でこの顔、この身体でって選んだわけではないのに、なぜかこの顔でこの身体で…勝手にそうなんだもんね」
「そう!そうなんよ!不思議!」

なぜ、自分は産まれてきたのか
なぜ、父と母の子として産まれたのか
なぜ、この顔、この身体なのか
なぜ、女性なのか
なぜ、生きているのか
なぜ、自分は生きるのか
考え始めるとキリがない疑問です。

きっと本当は何もない?

私は今まで小説以外のいろいろな本を読んできました。
その結果、私が辿り着いた考えは「本当はなにも存在しない」というものです。

もともと本を読むことが好きでした。
子育てし始め、本を読む時間がなくなり本を読まなくなりました。

桜空を妊娠し、妊娠26週の頃に異常がわかり、仕事も辞め、私は人と関わりたくないと思うようになっていました。
大きいお腹を見て「赤ちゃんがもうすぐ生まれるんですね!」と声を掛けて下さる娘や息子のお友達のお母さん方…
せっかく声を掛けて下さっているのに、私の心は荒んでいました。
桜空は絶対に生後すぐにNICUに入ることはわかっていました。
産後に顔を合わす可能性のある方には「病気があって…」と話していました。
産後に自分が情緒不安定な中、落ち着いて説明できる自身がなかったからです。

買い物に出かけると見かける妊婦さん。
「きっと、あの妊婦さんは元気なお子さんを出産されるのだろう…」
「いいな…何で桜空は病気なんだろう」
「私は何で普通に幸せな妊婦生活を送らせてもらえないのだろう…」

毎日言われた病気について検索し、毎日泣いて過ごしていました。
自分の感情を落ち着かせるためにまた本を読み始めました。
たくさんの本を読んでわかったのです。
自分を人と比べてしまっている
私は私、桜空は桜空。
みんな違って当然であると頭ではわかっているのに、「健康」から外れた赤ちゃんを授かったことを普通のことではないと世間も自分も決めつけてしまい、幸せなのに幸せでないとまで決めつけていることに気が付きました。

そして、本当はこの世には何も存在いないのではないかと思うようになりました。
自分も、自分の家族も、自分の身体も、みんなの身体も…
しかし、なぜかわかりませんが「この身体を借りて人生を生きてみている」
そして、なぜか人間は一生懸命に生きるのです。
そして、なぜ一生懸命生きたかもわからないけれど、いつか死んで逝くのです。
不思議ですが、その一生懸命生きた人生で関わった人の心には姿も形も無くなった人間が生きている…
「あの人にお世話になった」
「あの人がいたから今の自分がいる」
姿、形が無くなっても人の心の中で生きられることはすごいことだと思っています。
私たち家族にとって桜空がそうであるように。

娘に伝えたこと

「ママは自分という身体も人間も本当は何もないんじゃないかって思ってるよ。死んだら何もなくなるでしょう?それが本当なのかなって。だけど、この身体を借りて生きてみている。それは人の心に残るためなにかなって思うよ。『あの人、優しかったな』『あの人にお世話になったな』って記憶に残るためなのかなって。桜空くんもいつもママやあなたの心の中で生きているでしょう?いなくなってしまっても人の心の中で生きられることは素敵なことだし、ありがたいことだから、私もあなたも人との繋がりを大切にして、人の心に良き思い出、良き経験として生き続けられる人間にならなければいけないね」と伝えました。
答えになっているかわかりませんが、娘の答えが明確にない質問にこのように答えました。

桜空のように人の心の中で生きられる存在になれるよう、人間を磨いていきたいと思います。

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