【来世は子供を持たない】社会は助けてはくれない|障害児の母、助産師の想い

赤ちゃんが大好きな私

私は物心ついた頃から赤ちゃんが大好きでした。
私にとって赤ちゃんは、小さくて守ってあげたくて、
ずっと見ていたくなる癒しの存在でした。

いつかお母さんになって、自分の赤ちゃんをずっとお世話したい。
でも仕事でも赤ちゃんに携わるお仕事がしたい…
0歳担当の保育士さんになりたいな…
でも絶対に0歳担当になれる保証なんてないし、何年も0歳児担当はできないだろうし…
そう考え、赤ちゃんに関われる仕事を探した結果、助産師という職業があることを知りました。

助産師って看護師にならないといけないの?!

助産師という職業があることを知り、当時インターネットなど身近になかった私は
中学生のときに担任の先生に将来について聞かれ、
能天気に「赤ちゃんが好きなので助産師という仕事をしたいです♪」と答えました。

後日、担任の先生が助産師になるための進路図が書かれた用紙を渡して下さいました。
そして先生が「まずは看護師にならんといかんみたいやぞ?」と言い、
勉強嫌いだった私は本当にびっくりしたことを今でも覚えています。

私は「看護師」と「助産師」は全く別で、看護師よりも資格習得が簡単で、
「助産師専門学校」といった学校に1~2年行けばなれると勝手に思い込んでいました。

助産師になる決心

高校に進学した私は将来について考えていました。
私が助産師の他にやりたい職業ってなんだろう…何も思いつかない。
好きな事?ファッションには興味がありましたが趣味であり、
仕事にしたいわけではありませんでした。。
やっぱり赤ちゃんが可愛い、赤ちゃんに関われる仕事ができるって幸せだろうな…
私にはなりたい職業は「助産師」しかないと実感しました。
勉強嫌いの私は夢のために一生懸命勉強しました。

念願の助産師に!!

「赤ちゃんが可愛い、大好き!」

こんな単純な動機でしたが、念願の助産師になることができました。
大変な新人時代も、可愛い赤ちゃんが私の癒しでした。

来世は絶対に子供を持たない

そんな私が、来世は子供を持たない選択をしたいと思っています。
そう思うほど病気や障害のある我が子を育てる現実はとても大変で生きにくく孤独でした。

綺麗事は言えない 病児や障害児の親は「過酷」

家族内でも意見の相違があり、喧嘩にもなり心はどんどんと疲弊していきました。
しかし、目の前で頑張っていきる我が子の姿と可愛い笑顔…
とても我が子が健気で、元気に産めなかった自分や現実が悔しく、
「頑張って産まれてきて、生きてくれている我が子のために今日も頑張ろう!」
自分で自分の心を鼓舞していました。

自宅で医療ケアに疲れ切っているにも関わらず、
子供が体調を崩し入院すれば、親の付き添い入院は強制でした。
「病気や障害のある子供の親は、いつ休ませてもらえるのだろう…」
夜間のみ自宅に帰ることも許されず、出張が多かった夫とは交代できるはずもなく、
本当に本当に心も身体も限界で、涙が自然と出ていました。
社会に求めても「自分でどうにかしろ」という風潮であり、
令和の今の時代も子供を社会で育てていくという印象はないというのが正直な感想した。

ただ、「子供が欲しい」「お母さんになりたい」
幸せな未来を夢見て、妊娠し、出産します。
もし、子供に病気があったら、障害があったら…。
健康な子であっても育てることには責任が伴い、大変なことは山ほどありますが
病児や障害児であった場合の親の責任と日常の負担や精神的負担は想像を絶しました。
子供も親も、どれだけ努力しても報われないのです。
死んでしまった我が子を見たとき、私の心も死にました。
子供が良くなることを願って痛いこともしんどいことも頑張らせてしまいました。
しかし、結果は「早すぎる死」でした。
子供は何を思っているでしょうか。
私が3人目を願わなければ、こんなことにもなりませんでした。
大きな大きな悲しみに、私はただ正面から向き合うことはできず、
心を捨てて生きています。
我が子桜空がいない今はとても虚しく、悲しく、
もう二度とこんな想いはしたくないのです。

「子供を持たない選択」
これは、子供と私の悲しくつらい出来事を絶対に経験しないための手段です。

もし、来世も人間だったら…

スピリチュアルな話にはなりますが、
今世で親や夫、子供など親しい人とは来世でも縁があるようです。
関係は違っても親しい友人など、近い存在であることが多いようです。
私は我が子と、来世は親子の関係でなくとも、とても大切な関係であると信じています。

今世で生きている3人の子供たちの子育てを感謝して楽しみたいと思います。

【産むか堕ろすか】選択した道が正しい|病気の子を産み、亡くした助産師の母が思うこと
「堕ろす」という選択があるのは妊娠22週未満です。事情があり産むか産まないかを悩んでいる、お腹の子に病気や異常が見つかり産むか産まないかを悩んでいる方がいます。私の考えを綴っています。
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