いくつもの危機を乗り越えてきた桜空
桜空の生命力はとんでもないものでした。
今までに何回もあった生命の危機。
「あ…もうだめだ。桜空、死んでしまう」
そう思ったことが何度あったことか。
「桜空と代わりたい」
「私が代わるから桜空を健康な身体で生かせてほしい」
何度もそう思いました。
しかし、桜空はいつもその危機を乗り越えるのです。
こんなに小さな子供の、どこにそんな生命力があるのか…
「人間の真の力」と「人間の強い想い」は奇跡を起こすのだと我が子から学びました。
不謹慎な言葉だとわかっていますが
「人って強いんだ、人は簡単には死なないんだ」
そう思わせてくれた我が子でした。
「この子は生きたいと思ってくれている」
私が代わるとは現実的にできませんが、この子を支えることはできる。
「母としてできることはしたい」と思いました。
「これからも桜空は生きる」と思っていた 私たち夫婦
桜空の生命力の強さを感じるとともに、こんなにもたくさんの危機を乗り越えた桜空は「これからも生きる!」そう思うようになりました。
同時に、私たち夫婦は桜空の将来を心配するようになりました。
医療ケア児である桜空の 将来の心配
病気があっても、桜空が社会的サポートを得て、できる限り自分のことは自分でできるようにしていきたいと思いました。
必要な生活費を自分で稼げるようにするため、桜空はどんな仕事ができるだろうか、何かないだろうかと考え始めました。
桜空ができる仕事は何だろう?
桜空は外に出るということが難しければ、在宅でできる仕事がいいと思いました。
また、自分の病気のことをSNSなどで発信することで収入を得ることもできるかもしれないとも思いました。
桜空のアカウントを作っていこうかとも思いましたが、辞めました。
辞めた理由は、桜空は知的な問題がない子であったため、自分の病気を世間に知られることにを不快に思う可能性があると考えたからです。
「病気のことを知って欲しい、桜空のために…」
そう思っても、これは親の気持ちであって、桜空が世間に知られることをどう思うかは大きくなって聞いてみなければわからないことです。
お尻の穴がなかったこと(鎖肛)や片方肺がないなど…本人は世間に知られたくないかもしれません。
桜空のことを発信するかどうかは桜空自身に決めてもらおうと思いました。
夫が長年通っている 難聴者経営の美容室
夫は難聴者の方が経営している美容室に長年通っています。
とても腕が良く、理想の髪型にしてくれるのです。
夫も長男もその理容室でカットしてもらっています。
夫は「そこで働かせてもらえたらいいな…、もしものときはお願いしてみよう…」と話していました。
人工呼吸器をつけた人が美容師になることは現実的ではないかもしれませんが、夫が桜空を想っての発言でした。
親の愛は無限
桜空は2年2ヶ月で亡くなってしまいました。
将来のことの心配までしていたのに、まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした。
振り返り思うことは親の子供への愛は無限であるということです。
生きていたときも桜空を心配し想い、死んでしまっても桜空を心配し想っています。
医療ケアが必要な方たちが在宅や外で仕事し、収入を得ながら病気と共に生きていける未来がくることを信じています。


