【赤ちゃんの先天性静脈管欠損】先天性静脈管欠損と病気・染色体異常

「静脈管」とは

動脈管と同様にお腹の赤ちゃんの循環に重要な役割を果たしています。

単に臍静脈から右心房への短絡血行路というだけではなく、臍静脈血流量と速度を制御して有効に卵円孔を通過させ、左心系に酸素濃度の高い血流を送る重要な役割を担っていると推測されています。

「先天性静脈管欠損」とは

胎児スクリーニングにおいて比較的多く遭遇する先天異常です。

心疾患を含む様々な先天異常に合併することが多く、胎児精査の過程で診断される症例が増加しています。

診断される週数は28週頃と言われています。

「先天性静脈管欠損」の胎児への影響

心臓の前負荷調節が行われないことから胎児心不全を来す可能性があるため、臍帯静脈の流入部の評価とともに心機能の評価を行い、胎児心不全の徴候を見逃さないことが重要である。

しかし、先天性静脈管欠損により胎児心不全が出現しても、厳重な妊娠管理と早期娩出、NICU管理により予後良好であったという報告があります。

「先天性静脈管欠損」と病気・染色体異常

先天性静脈管欠損は単独で発見されることは稀です。

お腹の赤ちゃんが先天性静脈管欠損であることがわかった際には何か他に異常がないかどうか胎児精査することになります。

基礎疾患は多岐にわたります。

心血管奇形、心外奇形、染色体異常(21トリソミー、18トリソミー)、奇形症候群(ヌーナン症候群、大腿骨‐顔面症候群など)であった例の報告があります。

我が子は先天性静脈管欠損があり、産まれてから奇形症候群であるVATER症候群であることが判明しました。

先天性静脈管欠損の単独であっても重度の胎児水腫の原因となりうるため、児の娩出時期を含め、慎重な周産期管理が必要であると言われています。

 

まだ解明されていない「先天性静脈管欠損」

先天性静脈管欠損のある赤ちゃんが胎児水腫・循環不全を認めた症例が近年なかったとの報告をしている病院もあります。

先天性静脈管欠損による胎児循環におけるへの影響は不明な点が多いと言われています。

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