右胸心と右側心
これら2つの意味は違います。
右胸心とは
右胸心の50人に1人は先天性心疾患があるといわれています。
右胸心のみで他に異常がない場合は問題ないことが多いです。
赤ちゃんの心臓が右胸心になる原因
原因として内臓逆位や無脾症候群、多脾症候群などが考えられます。
内臓逆位
5000人に1人といわれています。
20人に1人は先天性心疾患を合併すると言われています。
いくつかの遺伝子異常との関連があると言われています。
内臓逆位である場合、内臓奇形も伴いやすいので心エコーなどで注意深く観察する必要があります。
無脾症候群・多脾症候群
本来、内臓は左右非対称ですが左右対称に形成されたものをいいます。
全身の臓器が右側だけの成分で形成された場合は脾臓がない場合が多く、無脾症候群といいます。
逆に、全身の臓器が左側だけの成分で形成された場合は脾臓が複数ある場合が多く、多脾症候群といいます。
50~90%に先天性心疾患を合併します。
右側心とは
本来、心臓は左にありますが、右に寄っていることをいいます。
心臓の向きには異常がないものを指します
赤ちゃんの心臓が右側心になる原因
原因として横隔膜ヘルニアや右肺無形成、右肺低形成となる原因の先天性嚢胞性腺腫様奇形(CCAM・CPAM)、先天性気管支肺前腸奇形などが考えられます。
横隔膜ヘルニア
生まれつき横隔膜に欠損孔があり、本来お腹の中にある腹部臓器の一部が胸の中に脱出してしまう病気です。
欠損孔の大きさによって腹部臓器の脱出の程度も違います。
臓器の脱出はお腹にいるときに起こることもあれば、生まれてから起こることもあります。
お腹にいるときに臓器の脱出が起こると、肺の発育が不十分である肺低形成を伴うことがあります。
右肺無形成
先天的に右肺が無い場合は心臓が右に寄る可能性が高いです。
右肺低形成
右肺の形成が十分になされず、右肺が小さい場合、心臓は右に寄ります。
右肺低形成は原因となる病気や先天性疾患、難病などがあることが多いです。
先天性嚢胞性腺腫様奇形(CCAM・CPAM)
肺に嚢胞がたくさんでき、その嚢胞形成のために肺低形成になる病気です。
自然消失の可能性もあります。
左肺が先天性嚢胞性腺腫様奇形である場合、左肺は嚢胞を形成して大きくなり、右の正常肺が押されて小さくなることで右肺は低形成となり、心臓も右に寄ってしまう可能性が大きくなります。
気管支肺前腸奇形(BPFM)
前腸由来の器官に発症する様々な先天奇形をいいます。
前腸とは肺・肝臓・膵臓・食道・胃などを指します。
前腸器官の特に肺の異常は右肺低形成を合併している場合もあり、心臓が右による原因になりえます。
我が子の心臓が右に寄っていた原因
右の気管支が食道から出ており、右肺は本来ある位置より下にありました。
そのため、心臓が右に寄っていたと推測されます。