耳介低位とは
耳のある位置が、本来ある位置よりも低いことをいいます。
耳介低位から疑われること
耳介低位は染色体異常やいくつかの遺伝性疾患、〇〇症候群との関連が指摘されています。
また、発達遅滞ともしばしば関連するといわれています。
産まれたら小耳症だった!
我が子は耳介低位の疑いでしたが、産まれてみると外耳道閉鎖の小耳症でした。
エコーでも「耳自体の位置が低い」というよりは、「耳が一部しかない」「上方の耳介と耳たぶだけが付いているような耳」でした。
真ん中のエコー写真の耳は、数珠のようにみえます。
実際、産まれた我が子は右耳は正常で、左耳はエコー同様の「上方の耳介の一部」と「耳たぶ」がついていました。
GCUで日中に付き添い練習をしていたときのお昼寝中の桜空です♪
すやすやと眠っている桜空…とても可愛いです♪
耳介低位・外耳道閉鎖・小耳症の手術
耳介低位と外耳道閉鎖は手術適応はありません。
外耳道閉鎖に関しては聴力検査を定期的に行い、聴力が日常生活に支障があるようであれば補聴器の使用を検討します。
小耳症に関しては、10歳以降に肋軟骨を使って耳介を形成し、形成手術を行うことができます。
しかし、我が子は何度も開胸しており癒着もあることが考えられます。
桜空自身が自身の外見をどう感じるかわかりませんが、母である私としては再度手術によって命を危険にさらせたくないと考え、手術はしない方向で考えていました。
また、桜空自身がボディイメージに困惑があり手術を希望したとしても10年以上も先であるため、医療の進歩も期待し、より画期的な人工軟骨が開発され開胸することなく耳を形成されることに期待しよう、と考えていました。
外耳道閉鎖・小耳症であった我が子の聴力
1回目の聴力検査
退院前のGCU入院中(生後7か月)に初めての聴力検査を受け、聴力は
- 正常に耳がついている右耳は問題なし
- 外耳道閉鎖および小耳症である左耳は聴力はほとんどない
との結果でした。
片耳は聞こえていて片耳は聞こえない場合
このような聴力の場合はどうするのか、耳鼻科の担当医に尋ねると「経過観察」とのお話でした。
片耳がしっかり聴こえている場合は、聴こえない片耳の聴力を補ってくれるようで補聴器の使用もなく経過をみることで構わない、そうです。
本当に片耳は聞こえてる?
しかし、訪問看護師さんから、声掛けに対しての反応が乏しく、聞こえているか不明に感じることが多い、とのお話がありました。
私自身も毎日一緒に過ごしていて同じことを感じることが時々あったため、担当医に相談し、再度聴力検査を受けることになりました。
2回目の聴力検査
1回目の聴力検査と同様に鎮静剤(トリクロ)を使って、前回の検査から11ヶ月経過していた頃(1歳6ヶ月時)に外来で検査して頂きました。
その結果、
- 正常に耳がついている右耳はよく聞こえている(20dB)
- 外耳道閉鎖および小耳症である左耳は、正常の聴力は下回るが聴こえている(60dB)
との結果でした。
左耳は「聴力はほとんどない」という結果であったはずが、前回の検査結果異常に実際は「聞こえていた」のです。
ただ、桜空が反応がやや乏しめな子であっただけでした。
「30dB聴こえていると正常」と言える聴力。
桜空の場合、外耳道閉鎖および小耳症である左耳は60dBであり「日常生活に支障はあるものの通常の声の大きさであれば聴こえている可能性もある、大きな音は聞こえている」という聴力であることがわかりました。
聴力検査は時期をあけてもう一度検査を
桜空のように聴力検査の結果が少し違うことがあります。
1回の聴力検査で判断するのではなく、時期をずらしてもう一度聴力検査を受けてみて下さい。
右耳は正常、左耳は60dBであった桜空は、月齢が進むにつれ、たくさんのことを耳で聞き、学び、理解していきました。
難聴を持つお子さんやご家族が、より正確な診断を受けて、より良い治療を選択し、最善の治療を受けられますことを願っています。