【赤ちゃんの心臓に水がたまる】胎児の心嚢液貯留と染色体異常との関連

胸水と心嚢液の違い

胸水

胸腔内(肺の外側)に液体が貯まったもので、心臓や肺を圧迫します。

心嚢液

心臓の周りにある心膜と心臓との間に液体が貯まるものです。
直接、心臓を圧迫します。

「赤ちゃんの心臓に水」とは

「赤ちゃんの胸に水が貯まること」は「胸水が貯まっていること」を指し、
「赤ちゃんの心臓に水が貯まること」は「心嚢液が貯まっていること」を指します。

赤ちゃんに心嚢液が貯まる原因

単に心臓に水が貯まっているだけという赤ちゃんは稀です。
原因としては感染性疾患、染色体異常、先天性心疾患などがあります。

赤ちゃんの心嚢液が貯まることの危険性

心嚢液が少量の場合は経過観察であることが多いです。

心嚢液の増大がある場合は心不全を起こすことがないように定期的に心臓の状態を確認する必要があります。

赤ちゃんの心嚢液の増大があるとき

お腹にいる赤ちゃんに心嚢穿刺をして吸引除去する可能性もあります。
多くは出生後まで経過を診て、出生後に精査後に穿刺するようです。

縦隔嚢胞性病変と鑑別

心臓周囲の低エコー域を認め、心嚢液貯留として胎児精査していた結果、心嚢液貯留ではなく縦隔嚢胞性病変であったとの報告があります。
心嚢液貯留と縦隔嚢胞性病変の鑑別も重要です。

※縦隔嚢胞性病変とは
病変の大半を水分で満たす病変を「嚢胞性病変」といいます。
縦隔とは、胸の中心にある左右の肺の間にある空間のことで、胸腺、心臓、大血管、食道、気管などの重要な臓器が含まれています。
その縦隔にある嚢胞性病変を「縦隔嚢胞性病変」といいます。

我が子の心嚢水貯留の経過

我が子は妊娠27週で心嚢液貯留を指摘され、母体採血を行いました。
母体採血の結果、お腹にいる赤ちゃんの心嚢水の原因が母体感染によるものではないことがわかり、他に胎児の異常もあったことから染色体異常が疑われ、それによる心嚢液貯留だろうと推測されていました。

心嚢液貯留が増大すれば心不全の危険があるため、1~2週間おきに経過を診てもらっていました。
心嚢水は少なくなることも増大することもなく経過しました。

出生後、心嚢水は問題ないとのことで経過観察、何も治療は行いませんでした。
出生後は先天性異常が多々あるvater症候群であることが判明し、妊娠中に心配していた心嚢液貯留自体は問題なく、他の先天性異常の方が複雑で問題であったという結果でした。

【赤ちゃんの大動脈縮窄症】大動脈縮窄症の原因|大動脈縮窄症と染色体異常
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