【きょうだいの死】人はなぜ死ぬのか|小学生の生死の疑問|死生観

「死」への疑問

8歳の娘は"死んだ人とはもう逢えない"ということは理解しています。
しかし、「死」については理解できないことが多く、たくさん疑問があるようです。

「なんで人は死ぬの?」

「人間は何歳まで生きられるの?」

「何でおじいちゃん、おばあちゃんになったら死ぬの?」

「何でいつか心臓が止まるの?」

1つ1つ答えました。
すると、やはり娘は思っていました。桜空の疑問…

「何で、さくくんは…」

「何でさくくんは病気だったの?」

「何でさくくんはママのお腹にいるときから病気だったの?」

「治る子もいるのに何でさくくんの病気は治らなかったの?」

「何でさくくんは死んだの?」

娘の多くの質問は桜空がいなくなった理由を探しているかのように思えました。

自分で情報を得ている娘

娘は自分のswitchでYouTubeを見ます。
そして、病気や染色体異常のある子どもの動画をよく見ています。
私が薦めたわけではありません。
桜空が産まれて生後10ヶ月で退院し自宅で一緒に生活するようになってから見るようになりました。

それは桜空を理解したいという8歳なりの考えであったように思います。
「この子も、さくくんと同じだ!」
桜空と同じ医療ケアを必要とする子を見つけると、桜空の仲間を見つけることができたように娘は笑顔で喜んでいました。
そして「この子はどんな病気なのだろう…」とその子を知りたいという気持ちになっていました。

娘は時にswitchを持ってきて「ねぇ、ママ、この子はどうしてこうなっているの?」と私に聞いていました。
娘は重い病気の弟がいることで、病気や障害、染色体異常がある子どものことを弟と同じように一つ一つ理解したい、という気持ちが大きくなっていると感じました。

私も病気の子を助けたい!

桜空は人工呼吸器も装着しており医療ケアが多かったため、訪問看護師さんが毎日来てくれていました。
そのため、いつも娘は間近で訪問看護師さんを見ていました。
娘にとって訪問看護師さんはとても身近な存在でした。

「私も〇〇さんのように(訪問)看護師さんになりたい!
桜空くんみたいに病気の子を助けたい!」

娘は訪問看護師になりたいと言い始めました。
毎日、毎日学校から帰ってくると桜空の横にいました。
桜空のことはとてもよくわかっていて、訪問看護師さんが気が付かないカニューレの抜けにもすぐに気が付き、伝えてくれていました。

これは決してカニューレの抜けに気が付かない訪問看護師さんよりも娘がすごいということを言いたいのではありません。
桜空の変化がすぐにわかるくらい、娘は毎日桜空の傍にいて、娘にとって桜空は大切な大切な弟であったことを現わしていると思うのです。

大切な人への想い

桜空がいなくなってしまった今、娘も考えていることがたくさんあることを知りました。
桜空のことが大好きだった姉。
姉のことが大好きだった桜空。
大切な人と会えない寂しさ、虚しさ、悲しさを感じているのは、私や主人だけではなく、きょうだいも、そして桜空も感じているかもしれません。

人の死
これは生きていれば必ず向き合わなければならないことです。
しかし、"子どもが死ぬ"ということは、これからであった命が生きられなかったということです。

子どもたちにはもっと生きて、たくさんのことを経験してたくさんの幸せをかんじてほしい…
世の中の子どもたち、みんながより元気により幸せに今日を過ごしていてほしい…
桜空のような、わたしたち家族のような病気や障害と付き合って生きるご家族には特に願うことです。

知りたい、寄り添いたい、一緒に生きたい!

娘の想いはこれだと思っています。

もっと心を通わせて、もっと人と人が助け合って生きていける社会になってほしいと心から願います。

【フラッシュバック】一周忌で思い出す子供の死|神も仏も信じない
桜空の一周忌法要を無事に終えることができました。しかし、一周忌法要…必要なのでしょうか。私にとって一周忌法要は、お線香の香り、喪服、お経、静けさ…お葬式を思い出し、故人を偲ぶというよりも、息が詰まりそうな時間となりました。

 

 

 

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