NICUで桜空と対面
出産後、私と主人は陣痛室に戻り、医師からの桜空の病名・状態説明をずっと待っていました。
まだかな…早く桜空に逢いたい…
桜空、可愛かった…
桜空は何の染色体異常なんだろう…
13、18、21トリソミーではないようだった…
他の染色体異常かな…症候群かな…
桜空、大丈夫かな…
様々なことを思い、考えながら、主人といても居ても立っても居られない状態で連絡を待ちました。
21時…22時…23時…と、刻々と時間が過ぎていきます。
私も主人も、桜空が心配でそわそわしていましたが、同時に今検査や桜空を診てくれている医師、看護師、検査技師など医療従事者の方には感謝の気持ちでいっぱいでした。
「仕事とはいえ、夜中に…私の息子が生きるために、私の息子のことを調べるために…すみません。ありがとうございます。息子をお願いします!」
今、この時間に桜空のために働いて下さっている医療従事者の方に感謝の気持ちしかありませんでした。
そして、桜空の誕生から約3時間後の23時すぎ、やっと私たちは桜空の状態説明に呼ばれました。
「桜空、桜空!大丈夫かな…今からママ行くよ!」
まだ産後3時間のため身体全体が痛かったですが、桜空のことを想えば何でも頑張れました。
桜空のところに早く行きたい!
助産師さんに車いすを使うことを勧めてもらいましたが、桜空が頑張っている、自分の力で逢いに行きたい!と感じ、歩いてNICUに行きました。
桜空、産まれてきてくれてありがとう
待ちに待った桜空との対面。
かわいい、かわいい、かわいいね、桜空…
よく頑張って産まれてきてくれたね。
頑張った、頑張ったよ。
産まれてきてくれてありがとう。
たくさんの病気を持った我が子を、私は可愛いと思えるだろうか…
正直、心配でした。
私が病気を持った子の母親になれるだろうか。
私に病気を持った子の母親が務まるだろうか。
桜空を見て、一瞬で「可愛い、愛おしい、ありがとう」
この感情が溢れ、自分にしっかりと母性が芽生えていること、桜空への愛が溢れるほどあることがわかりました。
CPAPという呼吸をサポートをする機械を付けていた桜空。
機械のない、桜空の触れられる部分に触れて、たくさん話しかけました。
「桜空、生きてほしい。
病気の身体で産んでおいて勝手で申し訳ないけれど…一緒に生きたい。」
そう思いました。
面会の後、桜空の病状説明で担当医に呼ばれました。
病名は「VATER症候群」
産まれて初めてわかった病気がたくさんありました。
やはり、お腹の中にいる状態でお腹の赤ちゃんの全てを知ることはできません。
「産まれてみなければわからない…」
その言葉を実感することになってしまいました。
産まれる前からわかっており、桜空が本当に持っていた病気は
- 鎖肛(生後、低位鎖肛であることが判明)
- 大動脈二尖弁
- 先天性静脈管欠損
- 単一臍帯動脈
- 左上大静脈遺残
産まれて初めてわかった桜空の病気は
- C型食道閉鎖
- 右主気管支食道起始症
- 右肺低形成
- 馬蹄腎
- 肋骨形成異常
桜空には想像以上に多くの病気があり、命に関わる珍しい病気も持っていました。
妊娠中に疑われていた染色体異常はない可能性が高く「VATER症候群」ではないか、とのお話でした。
「VATER症候群」については、こちらの記事をご覧ください。
産まれたばかりの次男の手術説明
病気が1つではないため、生命に直結することを優先的に手術・治療していく必要があります。
たくさんの病気をもった桜空が産まれてすぐに問題になったことは「鎖肛」でした。
肛門がないことで身体に貯まったガス(空気)が外に出る手段がないため、お腹がパンパンに張ってしまうのです。
時間の経過とともに身体に貯まったガスは増えていくため、経過を追ってお腹の張りを診ていく必要があります。
小児外科の医師から鎖肛については、肛門を造ることができれば肛門形成術、肛門を造ることが難しければ身体が大きくなってから手術となるため人工肛門を造る手術を行う、と説明がありました。
可能であれば、明日の日中の人手が十分な時間帯で手術、
腹部膨満(お腹の張り)の状態によっては今夜緊急で手術になる、との説明を聞きました。
産まれたばかりの子に手術…
しかも2100gしかない赤ちゃんの手術…大丈夫なのか…
怖い…怖い…
でも1番怖いのは桜空、私が信じないで誰が信じるの?
信じないと!
夜中に手術になるかどうかはわかりません。
上の子2人は母にお願いしていました。
主人には一旦帰宅してもらい、翌朝に来てもらうことにしました。